大通公園西6丁目ケヤキ樹勢回復処理業務
- 施工場所
- 北海道札幌市中央区大通公園西6丁目
- 工期
- 平成15年10月12日〜11月30日
- 工事概要
- 対象木のケヤキは大通公園の西6丁目の野外ステージの前にある樹高15m、胸高幹周約3m、樹齢130年以上という貴重な市民の財産ともいうべき木です。このケヤキの周辺は野外ステージの観客席に近く、人通りも多い場所で、根元はインターロッキングブロックで保護されていました。しかし、樹木の老化と長年の踏圧が樹木を弱らせてきた為、このたび根の回りの保護を強化するとともに、細根の発育を促す土壌改良をおこなうものです。
施工前
根元はツリーサークルで保護されていますが、樹冠の下はブロック舗装で、少しづつ踏圧の影響で地盤が固くなったと思われます。根元の幹には腐れが入り始め、このままでは樹木の衰えが進行する恐れがあります。
掘削作業
細根を傷めないように、埋蔵文化財のようにインターロッキングブロックの下を人力で慎重に掘削します。
根張りの状況
ブロックの下60〜70cmの細根が広がっている状況です。主根は縦横に樹を支えるようにたくましく伸びています。樹木医さんによると、この樹が植わっている土は開拓時代のものということで、その頃植えられたとするこのケヤキの樹齢は130年以上と想定されます。根を乾燥させてはいけないので、養生をしながら出来るだけ短期間で埋め戻しを完了させるよう作業を急ぎました。
活性炭素と培養土による埋戻し
掘削深70cmのうち、下から20cmは活性炭素と培養土を混ぜて埋め戻し、発根促進剤を散布しました。
パーライトによる埋め戻し
培養土の上は、土壌改良剤のパーライトで40cmほど埋め戻されました。パーライトは無機質、超軽量の土壌改良剤で、透水性と通気性に優れ、踏圧による根のダメージを軽減させる効果があります。パーライトにも発根促進剤を散布しました。
木製サークルデッキの敷設
踏圧による根への影響を軽減する為、直径7mの木製デッキで以前より広範囲を保護しました。
完成
根の周辺の固くなった土を取り除き、養分を補給し、細根が伸びやすいように土壌を改良しました。木製デッキが根元をやさしく包み、ケヤキもすっかりリフレッシュして喜んでいるようです。このように大きな樹の財産価値は計り知れないものです。札幌市には、これからもこのよう
な樹木の維持育成の事業を積極的に進めていただけることをお願いしたいと思います。